尖閣問題を過去から現在までを駆け足で辿ってみたい!

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日中平和友好条約の締結後、中国側は尖閣諸島の領有権は主張しつつ、

「棚上げ」の立場から日本の実効支配を黙認。

1980年代は、尖閣問題がおおむね沈静化した時期だった。

しかし、90年代に入ると波風が立ち始める。

中国は92年2月、領海法を制定。「釣魚島」など尖閣諸島のほか、

東南アジアと領有権を争う南沙(スプラトリー)諸島を自国の領土と初めて明文化した。

日本は「極めて遺憾で、是正を求める」と抗議した。

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東京大の松田康博教授(東アジア国際政治)は指摘する。

「70年代当時、仮に尖閣問題の棚上げについて日中双方に暗黙の了解があったとしても、

領海法の制定で完全にそれを裏切ったのは中国側だ。

合意は中国政府によって壊された」

尖閣問題と直接関係ないが、日中両国が96年に批准した国連海洋法条約も、

東シナ海での摩擦の種となった。

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条約では漁や資源開発ができる「排他的経済水域」(EEZ)を、

海岸から200カイリ(約370キロ)までと規定。

日本は日中の海岸線から等距離の「中間線」が境界だとするが、

中国は沖縄諸島の西の沖縄トラフまで延びる大陸棚での開発の権利を主張する。

尖閣をめぐる両国の国民感情も悪化する。96年7月、

日本の右翼団体が北小島に「灯台」を建設。

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9月には抗議行動中の船から香港の活動家5人が海に飛び込み、1人が死亡した。

2004年に中国の活動家らが魚釣島に上陸。小泉政権はこの時、

逮捕した活動家を送検せず強制送還した。

だが菅政権の10年9月、尖閣沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した際は、

漁船の船長を逮捕・送検して身柄を勾留。中国側は日本が国内法による

司法手続きを進めたことに激しく反発した。

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「ユーチューブ」に投稿された、海上保安庁の巡視船「みずき」に

日中関係が冷え込むなかで、日中両政府が08年に合意した

東シナ海のガス田共同開発は停滞している。

共同開発の条約締結交渉は、10年7月以来中断したまま。

「東シナ海を平和・協力・友好の海」にするという目標は、かすんでいる。

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12年4月16日。石原慎太郎・東京都知事は米ワシントンでの講演で

「東京都は尖閣諸島を買うことにした」と表明した。

石垣市によると、古賀氏が貸与され、後に払い下げを受けた諸島のうち、

北小島、南小島、魚釣島は1974年以降順次、埼玉県在住の民間人に譲渡。

2002年には国が3島の賃借契約を結び、管理していた。

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都が3島を購入するため募り始めた寄付金は、どんどん膨らんだ。

この動きを受け、野田佳彦首相は5月18日、政府高官らに尖閣国有化の検討を指示。

7月7日には「尖閣を平穏かつ安定的に管理する観点から検討していく」と

記者団に語った。

中国に強硬な姿勢の石原氏がトップの都が買うより、

国が保有した方が中国側の反発は少ないとの判断が政権にはあった。

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しかし、国交正常化以来の尖閣「棚上げ」は両国の合意だったとする中国は、

国有化は現状を変えることになると反発。認識のズレは広がっていく。

9月9日、ロシア・ウラジオストクでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)の場で、

胡錦濤(フーチンタオ)国家主席は野田首相に「間違った決定をしないように」と迫った。

だが政権は翌10日に関係閣僚会合で国有化を決め、11日には所有権を国に移した。中国にとっては、胡氏のメンツをつぶされた形になった。

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領海内を航行する2隻の中国の海洋監視船(手前右と奥右)と、

この後、中国各地では大規模な反日デモが起き、日系企業が襲われた。

9月の国交正常化40周年を記念する行事も中国側が相次ぎキャンセル。

一方で尖閣周辺の日本領海に、

中国の海洋監視船などが頻繁に侵入を繰り返すようになった。

中国の湖南省長沙で2012年9月15日、暴徒化し、

「日本が釣魚島などを盗んだという歴史的事実を変えることはできない」

9月27日、米ニューヨークでの国連総会で中国の楊潔?(ヤンチエチー)外相は訴えた。「盗んだ」という表現は、カイロ宣言を意識したものだ。

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中国は尖閣国有化を「反ファシズム戦争の勝利に対する否定と挑戦だ」とし、

第2次大戦の歴史を絡めた対日批判を世界中で繰り広げる。

「領土問題は存在しない」として尖閣問題への言及を控えてきた日本政府も、

中国の宣伝攻勢に対抗するため、

最近は領有権の正当性を海外で積極的に訴え始めた。

中国の狙いは「資源」と「米への圧力」

尖閣諸島は中国からみると、戦略的に重要な場所にある。

1982年に内部決定した海軍海洋計画では、

沖縄、台湾、フィリピンにつながる島々を「第1列島線」と位置づけた。

尖閣諸島や南シナ海は第1列島線より中国大陸側にあり、

中国はこのエリアの制海権を確立して「内海」化する戦略だ。

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さらに、日本列島からサイパン島、グアム島をつないで

インドネシアに至る「第2列島線」内の西太平洋海域への展開も、戦略的目標に据える。尖閣諸島がある海域は、西太平洋に向かう「通り道」でもある。

日本にとって、中国のこうした海洋進出は大きなプレッシャーとなる。

中国が進出を図る狙いの一つは、経済成長の伸びを支えるエネルギーの確保だ。

東シナ海や南シナ海には石油など地下資源が眠る。

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また台湾との関係が緊張した場合を想定し、

第1列島線の内側を支配することによって、

極東米軍の動きを抑え込もうとの狙いもある。

米国は南シナ海について「航行の自由は米国の国益だ」

(クリントン国務長官)と中国を牽制している。



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